チャリンコとパンツの関係
むかぁ〜し、昔。
まだ地球に恐竜がいた頃の話。
当時ピチピチの高校生だったアタシは、チャリンコ通学をしていた。
いつもいつも時間ギリギリに出る為、必死でペダルを漕ぐ毎日。
放課後(懐かしい響きだなぁ)には学校近くの居酒屋でパイトをしていた。
「いらっしゃいませ〜!」
「何にしますか?」
「じゃー、とりあえずビール。」
「お待たせしました〜」
「あ、キミさ、朝いつも○○のあたり自転車で通ってるでしょ?」
「エッ?ハイ。ガッコー行くのに通ってますよ♪」
「あのね…いっつもパンツ見えてるよ。スカート短かすぎるんじゃない?」
「…いつもですか?」
「ウン、大体毎日見させてもらってるよ。だから顔も分かったし。」(ニヤリ)
アタシは学校に行く事に必死で、パンツ丸出しにも気づいていなかった。
それを、毎朝身も知らぬ他人に無料でご奉仕していたとは。
何たるアホなんだろう。なんたるバカなんだろう。
顔から火が出そうっていうのは、こういうことかっ。
この客は店に入った時、「あ!パンツ娘だ!」と思ったに違いない。
会社でも「毎朝パンツ見えてるのも気づかないで、チャリンコ濃いでるバカな女がいるんだよ」
なんてネタにもされたいたかも知れない。
へたすりゃ夜のオカズにも…いや、オカズにはならねぇーな。
なんせ見せてるのが、このアタシだからな。
だけども。
アタシは通学路を変えた。
パンツを見せながら爆走する自分とサヨナラするために。
思春期にありがちな、センチメンタルなパンツの思い出。
今は見せたって、誰も喜ばない。
それはそれで悲しくもあるけれど。
年と取るということは、そういうことなんだな。ウンウン。
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