女の抗争

男性諸君が大好きなキャバクラ。
アタシは学生時代、バイトの面接に行ったことがある。
池袋・某所。いかにもでしょ。でしょ。
このあたりはキャバクラだの、ソープだのヘルスだの、
怪しげなお店がいっぱい建ち並ぶ。
その一角のビルを見つけ、地下に下りていった。

いかにも軽そうな男の人が出てきて、面接。
何人もの女の子達を相手にしているだけあって、ソツがない。
いかにも作りました!という笑顔で対応してくれる。
うすらアタシに惚れたんじゃないかと錯覚する(本当に錯覚なんだけど)くらいだ。

「それではね、明日からすぐ来れますか?」
「ハイ。」
「じゃ、お店に飾る写真を取りますからね。ハイー、笑って〜。」

まだ働いてもいないのに、ニッコリ笑って写真を撮ることに違和感を感じつつ、
これも仕事を始める準備なんだ…と思い、
ニッコリスマイル0円プリーズ
そんなこんなをしていたら、ボチボチ開店時間が近いのか女の子がフロアに出てきた。
「ねぇー!○○〜(面接してくれた人)、アタシ、△△(キャバ嬢の名前)と一緒に
働くの嫌ー。何とかしてよぉー!!」
「そんなワガママ言っちゃダメだよ。ね?ね?」
ドラマで見たような女の汚い心丸出し光景が、
学生でピュア〜なアタシの目の前に広がる。
これぞ女同士の戦いなのか。
ふと、彼女がアタシに気づき、
「ナニ?このコ、新しいコ?」
「ウン、明日から来てもらうからね。」
「へぇー、そうなんだぁ。」
「よ…よろしくお願いします。」
すでに
負け確定
その時の敵意剥き出しの目に、アタシはマジでビビった。チビりそうになった。
絶対、100%の確率で苛められる。そんな予感がした。

次の日、イジメを恐れたアタシは
キャバ嬢になる事を断念
いわゆるバックレというのをかましてしまった。エヘッ☆
女の戦場みたいなところで働く勇気が、イマヒトツなかったアタシを
意気地なしと呼んで欲しい。

キャバ嬢を諦めたアタシは、憧れのバイト面接に行く事にした。
それは
バニーガール。(今もあるのか?)
カジノバーのドリンク運びをバニーガールの格好でやるお店があり、
そこの面接に行き、合格。
憧れのバニー・リオに変身できることになった。
もう〜ン!「月に変わって、お仕置きよっ♪」

バニーガール。一度はしてみたかったのさ、マジで。
うさぎちゃんになりたかったのさ。エヘッ☆
実際バニーの格好をしてみると…。
鏡を見てウットリ。
コスプレする人の気持ちが分かるなぁ。
そんな自己満足の世界へドップリとハマってしまった。

しかし。
バニーちゃんは甘くない仕事だった。
まず客にケツを触られる。ついでに乳も触られる。
相手は客なだけに、あまり露骨に嫌な顔も出来ない。
「やめて下さいよぉー!」と笑顔で対応していると、世間の荒波がどういうものなのか
分かってくるから不思議だ。
一見、そのお触り以外は何の問題もないように思えた。

数日後。
カジノバーと繋がって、キャバクラもフロアもあったこのお店。
キャバ嬢とバニーガールのロッカールームは一緒。
そう、アタシの恐れている「女の戦い」がここでも繰り広げられていたのだ。
キャバ嬢 vs バニーガール

先輩バニーには、
「アイツらとは口利かないようにね。」と言われ、
キャバ嬢には、
「こっちの仕事に変わっちゃいなよ」と言われる。
まさに板ばさみな状態。
アタシはとにかく争いがダメなのだ。平和主義者なのだ(どっちつかずとも言う)。
とてもじゃないが、岩下志麻のように「惚れたら地獄!」と言い切れるほど、
度胸のある女じゃないのだ。
結局、ケツや乳を触られる事よりも、その抗争が嫌で1ヶ月程で辞めてしまった。
どうよ?このヘタれっぷりは。

女の職場って、本当に壮絶。
それ以降、水商売に向いてない自分に気づき、健全なバイトをするようになった。
ここで一つ、男性諸君に伝えたい。
キャバクラに行ったら、女関係に注意してほしい。
アナタの一言が、アナタの行動が、
誰かを陥れてしまうかも知れないことを。
壮絶な女の仕返しが、裏で繰り広げられているかも知れないことを。
それに打ち勝つ者だけが、存在するところ。それがキャバクラなのだ。

そうそう、一つ心残りがあるんだよな。
バニー姿を写真に残しておかなかったこと。
若かりしうさぎ姿を残せなかったのは、痛いね。コレ。




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