パンツの中身

OL時代。
アタシは某企業の「社長秘書」なんてもんをやっていた。
あ、決して社長とはヤッてないのでそこんとこヨロシク。
結構「社長とヤッたりしてたんじゃないの?」と聞かれたりするので、一応念のため。

さて、ある日のこと。
社長が地方の支店へ出張。上司も支店へお供出張。
先輩は外出という、パラダイスな状態。
1人でポツーンと留守番をしていた。
社長がいなけりゃ、結構ヒマなこの仕事(いや、色々あるけどさ)。
ここぞとばかりにのんびりしていた。
基本的に、社長・会長直通の専用電話にしか外線には出ない。
その専用電話が鳴る。

「ハイ。株式会社○○本社でございます。」
「アレ?会社なの、ココ?」
「ハイ、そうでございますが。」
「まぁいいや。お姉さん…ヒマ・・・?」

こりゃ、いたずら電話だな。なんでこの番号にかけてきたんだ?
たまたま適当にダイヤルしたら、繋がっちゃったのか。
「ヒマじゃないよ。こちとら仕事中だよ。」
「いいじゃん、いいじゃん。ねぇ、
今日のパンツ、何色?
来た、来た。
なんでイタ電というとパンツの色を聞くのさ?
マニュアルでもあるの?

イタ電マニュアル
1・必ずパンツの色を聞きましょう。


「今日は
ピンクだよ、可愛いピ・ン・ク!ガハハハハー!!」
「ウソ…ピンクなんだぁ…。ねぇ、そのピンクの中身は何が入ってるの?エヘヘ。」
もずくだよ。居酒屋にあるだろ?もずく酢一丁〜って感じでワサワサ生えてるよ。
満足か?これで。」
あんまり遊んでてても、いきなり誰かがフロアに来たら、エライことになる。
そう思ってガチャンと切った。

イタ電マニュアル
2・パンツの中身も聞きましょう。


数十秒後。
また電話がなる。
「ハイ、株式会社○○本社でございます。」

「もずく酢一丁〜!」

声高らかに叫んで、電話は切れた。

イタ電マニュアル
3・もずく酢を注文しましょう。


違う。違うぞ。
あのね、ボウヤ。
確かにちょっと相手しちゃったアタシも悪いけど、一応仕事中なんだよね。
もずく酢注文されても、困っちゃうよオネーサンは。
何かい?アタシのもずくが見たいってか?
それなら注文するだけしておいて、電話切るなんて酷いじゃないさ。
見せようと思っても、見せられやしないぜ。まったく。
その気にだけさせないでくれたまえ。

イタ電マニュアル
4・その気にさせたら、最後まで責任を持ちましょう。


数年その会社には勤めていたが、そんな楽しい電話はそれっきりだった。
彼は今でももずくを注文しているだろうか。
マニュアル通りに。




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