真夜中の戦い

ふと目が覚める。時計を見ると、午前3時。
と同時に、すさまじい腹痛に襲われることがある。
年に3回程、真夜中の訪問者(下痢)が来るのだ。
アタシの場合、夜遅くに焼肉を食べた後とか、
ナマモノ系を食べた後にその事件が起こりやすい。

目を開けた瞬間から、
強烈なビックウェーブ
死ぬんじゃないかと思う程の痛み。
でも頭はまだ夢の中なので、体と意識が伴わない。
体は「早く!一刻も早くトイレへゴー!」と叫んでいるのに、
前頭葉は「ハァ?まだ朝じゃないっしょ。眠いんっすけど。」という状態なのだ。
それでも足はトイレに向う。
便意とは、眠気すらも追い払う強力なパワーを持っているらしい。

とりあえず便器に腰掛ける。
目はまだ半分しか開いていない。
腹は痛い。モーレツに。このアンバランスさが、なんともモドカシイ。

第1陣、降下。
やっとボンヤリ頭が冴えてくる。この頃には
痛みもMAXなのだ。
まだまだ勝負は終わっちゃいない。
第2陣、降下。
さっさと出し切って、お布団に戻りたいという欲求が強烈に湧き上がってくる。
もういいか、これくらいの痛みなら寝て誤魔化せるだろう。

甘。ヤツはそんなもんで許しちゃくれないのさ、ベイベー。
まだまだ寝かせてやれないぜ、と言わんばかりの腹痛さん。
そう、これは
すべての毒素を出し切らないと、終わらない悪夢なのだ。

アタシは腹を据えた。
眠い、確かに眠いが、ここは腹のモンを出すまでジックリ戦おうじゃないか、と。
完全なる痛みの撤去まで、ここトイレットにて孤独な戦いにアタシは挑んだ。

フゥー!!
やっと、やっと終わった。一体何が
「悪」だったのか。それは今は考えまい。
戦い終えた戦士に、過去を省みる必要はないのだ。
必要なのは睡眠だけ。ただそれだけ…。

時計を見ると、午前5時を過ぎていた。
家族はまだグースカ眠っている。
真夜中アタシが、トイレと布団を何度も往復したこの戦いを、誰も気づいていないのだ。
それでいい…それで…。誰にも気づかれないよう、ひっそりと自分の部屋へ撤退した。

次の日寝不足だったけど、腹の調子は絶好調だった。
自分自身で自らの体を守った喜び。こうして人間は大人になってゆくんだね。

ネェ?アタシって、「クソネタ好き」みたい?誤解しちゃイヤイヤよん。


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